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Catallaxy代表大石裕明インタビュー

2019/02/28
こんにちは。Catallaxy編集部のHです。
今回は、Catallaxyの現状と今後、経営理念について、
弊社代表取締役社長の大石裕明をインタビューしました。
ぜひお読みください。



ーーまずは、我が社の事業内容と強みについて、改めてお聞きします。

ーー大石
 事業内容は未来の製造業をつくっています。
未来の製造業とは、一言でいうと「無人工場」です。
具体的にいうと、製造業ということで、なにかを製造している中でもアナログなものをものづくりしている認識なんですが、ここ2〜30年とりわけ大きな進化がないと感じています。
上流工程、下流工程において、労働集約的なところでの働き方が全然改善されていない。
ITの進化が行き届いている中、そのITの力を活かして、無人工場をつくる、上流工程、下流工程を無人化していく事業を進めています。
強みはITを活かして何ができるのか。
GitHubの創業者の言葉を借りるなら、「すべての産業がソフトウェア化する」と言われています。
ホテル業界などではすでに始まっているのですが、無人の工場をつくり、無人の対応をしていくこと、あらゆる業界で起こっています。
そういう仕組みをどうしていけばいいのか、会社全体でわかっているのがいちばんの強みではないかと思っています。
マーケティング用語でいうなら、テックタッチな対応をすることに実現可能性があって、実現できるのが強みだと思います。


ーー製造業は幅が広いジャンルですが、中でも板金に特化したこと、なぜ板金を選んだのかを教えてください。


ーー大石
製造業という大枠から入りました。
大枠から入った中で、自分たちのサービスを作っていたのですが、製造業の広さを感じました。
このまま製造業を無人にしていくのは、無人工場がいつまで経ってもできないと思ったので、業界を絞りたいと思いました。
そこで考えたのが、いちばんレガシーなところで、日本の産業の屋台骨になっているところで、われわれと関わり深い工場さんがいる金属加工業に行き着きました。
金属加工業の中でも課題が散らばっているところ、労働集約的なところ、図面の数が多い、板金に行き着きました。

ーーIT化にするにあたっての問題が板金加工業の中に散見されたということでしょうか。

ーー大石
そうです。また、市場規模も大きいです。


ーー板金は日常的なところに使われているものですが、業界は専門的であまり身近ではないように感じます。もともと板金業界に対してパーソナルなつながりはあったのでしょうか。


ーー大石
実家が建築会社でした。
建築板金という分野がありまして、建築板金の発注元でしたので、板金が身近にある恵まれた環境にいました。


ーー板金加工の業者さんとのお付き合いや人柄もわかっていたのでしょうか。

ーー大石
そうですね。雨どいを作っている人と仲良くさせてもらっていましたね。


ーー人間性がわかっていて、関係性が深い業界という思いがあったのでしょうか。そもそも、なぜ事業を起こしたいと思ったのでしょうか。


ーー大石
今の話からはまったく違う方向から事業を起こしたいと思っていました。
サラリーマン時代トータル3年の中で、個人的に仕事がたくさん舞い込んできて、バリューが発揮できるのは会社員としてやるよりも、違う働き方をした方が合っているだろうと。
働き方ですよね。
会社を起こして、市場プレイヤーとして力を発揮できるのは起業だろうと思いました。


ーー事業を起こしたいと思った契機はありますか。


ーー大石
2017年まではひとりの会社でした。
フリーランスの働き方で2年間生きてきました。
その時は、起業したい思いはなかったように思います。
ある程度フリーランスで、自分が価値を発揮できていて、市場からも評価されていました。
自分がフリーランスとして市場に認められたのは自分だけの価値の高まりであって、1はどこまでいっても1です。
事業を起こし、みんなでやっていく中で、1足す1が2にもそれ以上にもなります。
自分の実家が起業していたこともあって、そこにすごく可能性を感じていました。
そこでアフリカのことわざにもあるように、「早く行きたければ一人でいけ。遠くに行きたければみんなでいけ」その言葉が頭の片隅にあって、自分は、早くも行きたいけれど、遠くにも行きたい。
そうフリーランス時代に思って、2018年にチームを組んでやりたいと思ったのがいきさつです。


ーーご実家の会社の規模はどんな感じでしょうか。

ーー大石
町の建築会社ですね。


ーーなおさら今取材している町工場さんの苦労や悩みが前もってわかっていらっしゃる?

ーー大石
よくわかりますね。

ーー今に至るまでの背景、生きてきた過程が影響していると思うんです。どんな子供時代だったのか教えてください。

ーー大石
冷めていました。
今より周りの目を気にしていましたね。
コミュニティーが狭かったので、生き残っていく最適な戦略が、周りの期待に応えていくことでした。



ーーソフトウェア開発に関心を持つようになったのがいつからですか。

ーー大石
実家の建築会社が、ぼくが6歳からコンピューターを導入していて、Windows95があった環境でした。
それを使ってインターネットのすごさに触れていて。
インターネットをずっとやっていた子供ですから。
そこから自分でウェブサイトを作ってみたいと行動を起こしたのは10歳の頃でした。
小学生の頃からはなじんでいました。


ーーご実家の会社とCatallaxyと提携してやっていく動きがありますか。

ーー大石
大いにあります。

ーー続きまして、我が社Catallaxyの企業文化についての思いをお話しください。

ーー大石
色々あるのですが、いちばんは「自発性を重視している」ところだと思います。
自由に自分の意志をいちばんにしてやってほしいという文化ですかね。


ーー社内でチャットツールやasanaを使ったり、1on1で大石さんとお話しする文化が面白いと思っています。社内の情報の透明性を注力していることだと思いますが、それにいたる背景や思いについて教えてください。

ーー大石
自発性をもって行動するときに、何を判断材料にすればいいんだろう。
そういう思いがすごく強いんです。
売り上げ重視で、チームとして期待されているのは売り上げをたてることだけど、個人でやりたいことが管理だった場合、管理だけをやることが、果たしてチームが期待していることと乖離があるのか、チームで遠くに行く以上考えておかなくてはいけないことだと思います。
自発的にやる事の中に、誰かのためになりたい、チームのためになりたい気持ちも自発性ってなった時に、判断材料がないとできないと思ったので、透明性が大事だと思いました。
透明性は自発性にぶら下がっていることだと思います。



ーー自発性はポテンシャルをあげるのに大事だと思います。個々人のパフォーマンスも自発性があるからこそだと思いますが、方向性が大事です。真逆の方向を向いていて、バラバラになった場合、どう調整しますか。


ーー大石
未来の製造業をつくるというコンセプトを大事にしています。それ以外は、みんながバラバラの方向を向いていてもいいと思うんですよ。違う方向に行ってしまっても、それはそれで仕方のないことです。


ーー未来の製造業について。未来の製造業が実現した時に、どんな世界になるんですか。

ーー大石
経済学を学んでいて、研究テーマとしてを今に至るまで、人類の経済的な向上、生活水準の向上に貢献したのは産業革命です。ローマ時代から1800年まで人類の平均寿命は36歳くらいでした。産業革命が起こって、人類の寿命が飛躍的に上がって、70歳、80歳と倍くらいの平均寿命になりました。ぼくの頭の中では、アナログのテクノロジーの部分の飛躍的な成長が、人類の平均寿命をあげると思っています。未来の製造業をつくる意味もそこにかかっていて、われわれの生活水準だったり、平均寿命をあげるのは、製造業の底上げ、莫大な成長がなくては成し遂げられないことだと思います。人間の寿命が80歳、90歳どまりなのかと考えると、製造業がまだまだ底上げしきれていないなって思いますので。未来の製造業がつくれた、自動工場がつくれた暁には、人間の平均寿命が今の倍の150歳まであがるのではないかと考えています。


ーーそれは、よりよい未来なのでしょうか。


ーー大石
寿命さえ長ければ幸せといえるのかは答えは「No」なんですが、可能性として、自発性を大事にしているにもかかるように、選択肢の数が増えます。自由というのは選択肢の数が増える事だと思いますので、選択肢の数が増えて、何がやりたいのか、長生きすればいいし、早く死ぬのも自由ですし。そういった選択肢が芽生えるのは善だと思っています。



ーー次に、Catallaxyのなりたちについて教えてください。


ーー大石
2015年7月に登記して、合同会社Catallaxyとしてスタートしました。
業務自体はサラリーマン時代から受けていました。
前職はアクトインディというベンチャー企業で、ベンチャー企業の雇用形態を正社員から業務委託に変えてくれと言ったのが、2015年のはじめです。
個人事業主、会社の原型としてはじめたのが、2月のはじめ、2社、3社のウェブサービスを手がけて、そろそろ法人化していいと思ったので、法人化しました。
システム開発会社として起業したのですが、その時からCatallaxyという社名を名付けていました。
その時からみんなを巻き込んで秩序をつくりたい、遠くにいきたい思いがあったのだと思います。
2015年はシステム開発事業を自分の自発性の方向としてやっていて、とくに誰かと働くということはしていませんでした。
2016年に共同創業に値する浅沼秀平と連絡をとり始め、彼経由で仕事が降ってきました。
彼自身もキャリアに悩んでいた時にエンジニアになりたいという気持ちが芽生えてきていましたので、彼と一緒に働くのは必然だったように思われます。
その頃に徐々に彼の活躍もあり、営業も回り始め、紹介をベースに回り始めたこともあって、月の売り上げが100万とか150万とか上がるようになりました。
その中で、遠くにいきたい気持ちは頭の片隅にあったものの、目の前の忙しさにかまけて、なかなか遠くにいける道筋はなかったように思います。
2017年はそのような気持ちの中やっていたのですが、半ばくらいに遠くにいきたかったんだけどなぁって気持ちが大きくなり、受託開発をやめたい思いが芽生えました。
遠くにいくことと受託開発を両立できなかったのかというと、月々の売り上げが麻薬のようになって、遠くに行くことが置き去りにされてしまうことが怖かったのだと思います。
覚悟という意味も込めてもありますし、売り上げの成長にそこまで興味を持てなかった。懐が潤うことに一切興味がないんだなって気づきました。
受託を切って、公庫から借り入れをして、本腰を入れて自社開発事業に一本化したいと思ったのが2017年の後半ですね。
2018年になって、自社開発事業をやっていこうと。
中でも、自分のずっとやりたかった製造業×ITのところに対して力を入れてやっていこうと。
ベンチャーキャピタルの方とも掛け合って、自分はこういうことをしたいんだと。
遠くに行きたいんだ、未来の製造業をつくりたいんだと投げかけたところ、今のインキュベイトファンドのジェネラルパートナーの赤浦さんに伝わって、出資を受けました。
というのが2018年の4月ですね。
それから遠くに行くための準備をちゃんとして、徐々に仲間を巻き込んでいって、製造業をメインにやることは間違いないんですけど、幅広くではなく、特化してやろうと決めて具体化していったのが2018年です。


ーーベンチャーキャピタルの方とどのようにつながっていったのでしょうか。

ーー大石
本当にコールドですね。
関係性のないところから始めていって、誰か自分の話を聞いてくれないかといったようなくらいで回っていました。
15社20社くらいにお話をして全部断られて。
たまたま赤浦さんが僕の話を聞いてくれた感じです。



ーーCatallaxyの二大サービス、MitsuriとFabitの概要について、改めて解説していただけますか。

ーー大石
Mitsuriは金属加工業に特化したウェブサービスです。
どういうことができるかというと、金属加工業に大きな課題が3つあります。
一つ目は商流。
商流が従来の人づて、紹介などの非効率なマーケティング及び営業手法が行われていることで、どうしてもスケールしない営業になってしまっていると考えます。
属人的な営業というか、関係性としても大きな会社さんから受注がくれば良いという考えになってしまっているので、どうしても内に閉じてしまう営業だと感じています。
そのため買い叩きに合う、競合他社との比較にあって、というようなところが方法論として確率してしまうので、それだと健全なサプライチェーンとは言えないよねというところを懸念して、Mitsuriはそこを解決しています。
要はサプライチェーンをもっとフラットにして、自分たちが仕事を取りに行かずともプラットフォーム上で商談ができると言ったようなプラットフォームです。
二番目の課題の上流工程の硬直化があるんです。
上流工程に対して、ITが行き届いていなくて郵送だったりFAXなどアナログな手法がビジネスとして確率しています。
そこをITを導入して、従来3時間かかっていたものが1分で済むとか、飛躍的な生産性の向上が見込めると考えています。
Mitsuriは手がけ切れていないのですが、1工場に対して新しい上流工程のあり方への掲示ができるプラットフォームになれればいいなと思っています。
3番目の課題は、下流工程の限界費用の高さが挙げられます。
ロボットにしても、工場を建てるにしても、5千万円〜一億円もの最小のコストがかかります。
そのため参入障壁が高くて、この業界がなかなか進化しない原因になっています。
Mitsuriを通して下流工程に対しても、新しい工場、下流工程のあり方を開発していく。
そういったことも考えています。
ここはまだ手がけ切れていないのですが、目標として掲げています。
Fabitとしては未来の製造業をつくると言っているので、製造業全般にわたるサービスは、ブランドとして確立したかったというのがあります。
が、具体的なサービスの内容としては、先ほどのプロモーション、営業マーケティングのところの販促をメディアとして手がけているというところしかやっていません。
Mitsuriのようにバーティカルに自動化が進められたところを横展開したいという意味では、最終形はFabitであって、そこに対してMitsuriのあり方を乗せていくと言った住み分けですね。

ーー未来の製造業をつくるためMitsuriとFabitを機能させ、事業展開していく中で競合は存在しますか。

ーー大石
競合他社さんは大きな目で見るといないですが、小さいところでいうと、います。
Mitsuriでいうと、板金加工の商流のあり方を変えていく意味ではCADDiさんが近いような会社さんだと思っています。
CADDiさんは自分たちのウェブマーケティングスキルを活かして、集客は担保して、しかるべき工場にしかるべき案件を投げると言う意味では、工場さんにとってはサプライチェーン、自前の営業力がなくともCADDiさんにお任せすれば良いという意味では、商流をある程度変えているとは思っています。
が、大きなところでいうと、Mitsuriはそうではなくプラットフォーマとして存在するので、あくまで場を提供する、商流は完全にフラットにする、自分たちが間に挟まないという意味では競合ではないという見方をしています。


ーー最後に、大石さんから私たちメンバーへの思いについて、お聞かせください。

ーー大石
遠くに行きたいなという気持ちがあるのは間違いないのですが、お金に対してフリーランスの時に興味がなくなってしまったというところがあって、自分が大事にしているところは、「人、モノ、金」でいえば、「人とモノ」ではないかと思っています。
そう考えた時に、人とのリレーションを大事にする人間だったんだなって再認識させられましたし、先ほど名前が出てきた赤浦さんにしても、最初に自分についてきてくれた浅沼にしても、その後で働きやすいとか、カルチャーが素敵だと思ってくれた人たちに足を抜けて寝れないと思っています。
われわれは何も持っていないし、売り上げもままなっていないところで、可能性を感じていてくれている、この組織を好きになってくれる人たちを大事にしていきたいと思っています。
ひとりでできることに対して限界を感じていましたし、いろんな人に支えてもらっている、そのことに対する自分たちの会社を嫌いになってもらいたくない、大石という人間を嫌いになってもらいたくない、大石裕明と接することができて幸せだったなと思われて死にたいので。
人生観としてですが。
ドラマチックではありましたが、人を大事にしたい思いは多分純粋なものがありますよね。


ーー人に対する愛なんですね。

ーー大石
情深い人間なんですよ(笑)